木のお話。キリのお話

キリの特性・用途

キリはゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹で木質化していますが実は草の仲間です。大変成長が早く15~20年で成木となり家具材として使えます。このことから日本では女の子が生まれるとキリを植え、結婚する際にタンスにして嫁入り道具にする風習もありました。


原産地は中国で、日本では北海道南部以南に広く生育しています。アメリカにも自生し、近年ではブラジル、パラグアイ、マレーシアなどに植栽され輸入されています。


日本の樹木の中で最も軽く色白で木肌が美しく割れや狂いが少ないのが特徴です。また、湿気を通さないことと熱伝導率が低く、着火点が高くて燃えにくいことからタンスの他に高級な美術品を納める箱などに用されています。キリは年を経るごとに赤みを帯びやがて灰褐色に変色するので、白さを保つために「アク抜き」を行います。